[存档]逆転裁判 4 公式ブログ
2007.03.20 ( 火 )
ごあいさつ
こんにちは。
逆転裁判チームの巧 舟(たくみしゅう)と申します。
シリーズを通じて、すべての物語を書き散らかしてきた、いわば主犯格の人物です。
(↑ついに開き直った)
これからしばらくのあいだ、ブログという形でワレワレ“チームならでは”の情報を発信していきたいと思います。
よろしくおつきあいください。
それにしても、《逆転裁判4》‥‥まさかまた、こうしてごあいさつする機会がやってくるとは。
シリーズ第1作目を作っていたのは、すでに前世紀・西暦2000年。
『《逆転裁判》は、コレ1作かぎり。全力を尽くすのだ!』
‥‥そんな“燃ゆるココロ”で制作、(個人的には)これ以上ないカタチで物語をしめくくることができました。
そして、発売。
遊んでくれたみなさんの声に後押しされるカタチで続編の制作が決定!
(↑当時は思ったほど売れなかったケド)
『やっぱり《逆転裁判》は、3部作。全力を尽くすのだ!』
‥‥そんな“さらに燃ゆるココロ”で制作、(個人的には)これ以上ないカタチで大団円を迎えることができました。
しかし‥‥物語は終わらなかったようです。
新しい主人公・王泥喜 法介くんを迎えて、ついに“新章開廷”という次第。
こうしてみると‥‥毎度毎回、新しい“逆転”を生み出すチカラになっているのは、応援してくれるみなさんの“声”なんだなあ‥‥いつもながら実感します。
本当に、どうもありがとうございます!
さて。そういうワケで《逆転裁判4》。
目指したのは“おもしろいミステリー”‥‥これは《1》のころから変わりません。
今回も、ご期待ください。
“新章”ということで心がけたのは、ふたつ。
今までシリーズを遊んだことのないみなさんが安心して楽しめる“完全に”新しい物語。
そして、今までシリーズを遊んでくれたみなさんが安心して楽しめる“懐かしくも”新しい物語。
‥‥この、対立する2つのテーマを両立させるために、いろいろシカケを施してみました。そのシカケが、うまく行ったかどうか‥‥?
みなさんの目でたしかめていただければ、ウレシイです。
発売まで、あと3週間あまり。
チーム一同、ドキドキしながら待っています。
シリーズが一新して、チームの制作体制にも大きな変化がありました。
ゲームの規模もいつのまにか大きくなって、今回、ぼくのシゴトを手伝ってくれる心強い“仲間”が加わりました。
このブログでは、彼らにも活躍してもらおうと思っています。
次回登場するのは、“ディレクター”エンドーくん。
《逆転裁判4》制作現場を取り仕切ってもらいました。
‥‥思えば、10年ほど前。
当時のぼくは、デビュー作にあたる《学校のコワイうわさ 花子さんが来た!!》というゲームの制作に参加していたのですが、そのときチームに新人として入ってきたのがエンドーくんでした。
ぼくは“おもしろいミステリーを作る”ため、このシゴトを選んだのですが、彼は“同志”でした。
当時、格闘ゲーム全盛の体育会系(?)カプコンに、なぜこんな“モヤシっ子”のふたりがまぎれ込んでしまったのかは永遠のナゾですが、
『いつか、おもしろいミステリーを作ろう!』
というカタい約束を交わして、真夜中の開発室、ひとつのカップやきそばを分け合って食べたのをなんとなく覚えています。
(↑最近、そのときの写真が出てきて、ひさしぶりにカップやきそばを食べてナミダした)
果たして、あの日の誓い‥‥彼の方は覚えているのでしょうか。
すべては次回、アキラカにッ!
‥‥と、あおるだけあおってバトンを渡したいと思います。
それでは、またお会いしましょう!
2007.03.20 13:00
新要素について
はじめまして。
今回、逆転裁判シリーズ初参加のエンドーと申します。
「逆転裁判4」の制作があると聞き、なんとかチームに
潜り込めるよう、カプコンの偉いヒトたちにお願いしに
行った日のことを覚えています。
エンドー「お願いします。逆転4チームに参加したいんです」
偉いヒト「ふむ。‥‥しかしねえ」
エンドー「あ、そうだ。タクミさんとは、ひとつのヤキソバを
分けあったこともあるんですよ! ホラ、写真!」
偉いヒト「‥‥エンドーくん」
エンドー「なんでしょう?」
偉いヒト「その写真は、ヨソのヒトには見せないほうがいいね。
いろいろと、その‥‥ゴカイされそうだから」
ヤキソバの写真がきいたのでしょうか。私は無事、逆転裁判の
制作に参加することができました。
これから入社する新人のみなさんには、上司と会食するときは
“証拠写真”を撮っておくことをオススメします。
思わぬところで役に立つかもしれません。
*****************************
さて「逆転4」制作の話をしましょう。
新たな「逆転裁判」にふさわしい「新要素」。これがどのように
形になっていったか。アイマイになってしまった記憶を掘り起こし
ながら、ご紹介します。
制作直後、企画は3名でした。
全員がミステリ好きで、運動嫌いという超文化系の編成です。
武闘派ぞろいのカプコン(←あくまで個人的なイメージ)の中に
あって、これ以上望めないくらいの異質な存在です。
議論は白熱し、新要素のアイディアはとどまるところを知りません。
「せまい部屋で、短時間に何発も銃弾が発射され、
その順序が問題になるような状況は、どうかな?」
「弾道を立体的に見せられたら、キレイかも!」
「モンタージュとか、どうでしょうね?
自分で容疑者の顔をつくっていって‥‥」
「完成した顔が、実は意外な人物に!」
「証拠や、証言が、すべて金銭的に“見える”能力って
面白いんじゃないかな?」
「100円ライターなんだけど、『これ、50万円の価値が
ありますよ』とか。ウラ向けたらアヤシイ指紋が!」
ミステリの世界では一般的なネタから、意表を突く奇想天外なネタまで。
たくさんのアイディアが出たものです。
それらについて、「どんなルールや操作になるのか?」「シナリオとの
相性はどうか?」「見た目が、地味でないか?」「遊びとして、成立して
いるのか?」など、さらに詳細な検討を加えていきます。
こうしてゲームに組み込まれた新要素が「みぬく」です。
初めての試みだったので、何度か実験が必要でした。
「みぬく」は、現在は白黒ですが、実はカラーで出していた
時期もあったのです。
「白黒」か、「カラー」か?
チーム内で意見を聞いたところ、「白黒がいい」という意見が
多く、今の形におちつきました。あのとき、もし逆だったら、
「みぬく」は今とは全く違った外見になっていたと思います。
また、演出面でもいろいろなアイディアが検討されました。
例えば、「くらえ!」と同じように、「みぬく」直前に、
オドロキくんの横顔を挿入してはどうか、などです。
こちらは、そのときに、巧さんが描いたラフ絵です。
エンドー「‥‥キョーレツですね」
タクミ 「こういうのは、インパクトが重要だから」
エンドー「コイツで証人を“ぎゃふん”と言わせる
ワケですからね」
タクミ 「‥‥エンドーくん」
エンドー「なんでしょう?」
タクミ 「キミって、ときどき、びっくりするほど
古クサい言い回しをするよね」
‥‥果たして「みぬく」はどのようなカタチに落ち着いたのか?
発売日に、ぜひ体験していただきたく思います。
「ゆさぶる」も「つきつける」も通用しない証人を、「みぬく」で
“ぎゃふん”と言わせてやってください。
*****************************
さて、次回ですが、前作『蘇る逆転』から、引き続き制作に
参加している企画メンバー、“ヤマザキくん”にバトンタッチします。
(う、またもや古クサい表現だ)
彼とは「逆転裁判4」で、はじめていっしょに仕事をしましたが、
短い期間ながらも、一言では言い尽くせないほどの苦楽を共にしました。
同じ作家が好きなのにもかかわらず、感動するポイントが、私と微妙に
ズレていて、もどかしいコトこの上ないこともひっくるめて、大事な仲間と
言っていいでしょう。
彼とはまだ、ひとつのヤキソバを分けあうほど親しくはないのですが、
十分に信用に足るオトコです。 次回、その若く柔軟な視点で、「逆転裁判4」
を熱く語ってくれると信じています。
それでは、本日はこのへんで。
2007.03.23 13:00
2007.03.30 ( 金 )
『主役交代』
こんにちは。
逆転裁判チームのタクミです。
なんというか、ぼくは縛られるのが好きです。
物足りないと、自分で自分を縛りつけたりします。
‥‥突然、なんのカミングアウトかと驚愕された方もいるかもしれません。
ここで読むのをやめられると、タイヘンな誤解を生むような気がするので、今回はゼヒ最後までおつきあいください。
そのヒマがない方は、冒頭の2行をキレイに忘れちゃうコト。約束です。
それでは、今回は『主役交代』について。
シリーズを《3》まで遊んでくださった方々が、《4》でイチバン気になっているのは、おそらくその話題ではないかと思います。
“成歩堂 龍一”から“王泥喜 法介”へ。
シリーズをご存じない方のために紹介させていただくと、逆転裁判《1》から《3》の主人公は“成歩堂 龍一”という名の青年弁護士。
エピソードは1つ1つ独立しているものの、3作を通じて1つの大きな物語になる構成になっていました。
‥‥あの物語は《3》で完結。
あれ以上のエピソードを加えたくない‥‥
これが、《4》制作決定の知らせを聞いたときの、ぼくのスナオなキモチでした。
一方で、“続編を望む声”というのが、作り手にとって最高にウレシイというのもまた、スナオなキモチ。
いろいろ考えた末、出した結論は‥‥
「正式な続編を作るのであれば、まったく新しい物語にするべきだ」
そっちの方が、今までシリーズを知らないヒトにも気軽に遊んでもらえるし、新しいオドロキを作り出せるかもしれない!
‥‥なんて(もっともらしく)主張してみたり。
でも。これはある種、個人的な“ワガママ”で、そうカンタンには通らないだろうな‥‥とカクゴしていたのですが‥‥会社側のヘンジは
「変えていいよ」
なんともフトコロの深い会社です、カプコン。
ただ。その際、2つ。条件を提示されました。
■前作までのキャラクター‥‥少なくとも成歩堂 龍一を登場させること
■物語の中で《●●●●●》を扱うこと
実はこの指令、ふたつとも、ぼくにとってはかなり難しい条件でした。
新しい物語に、成歩堂をフツーに出したくない。
といって、新しい主人公の活躍をジャマさせるワケにもいかない‥‥では、どう出す?
しかも、その上で、《●●●●●》を組み込まなければならない!
‥‥難題。
ちなみに、《●●●●●》に何が入るかは‥‥発売前である今はまだ、言えません。
いずれブログで紹介できるかもしれませんが、ゲームを最後まで遊んでいただければ、おわかりいただけると思います。
‥‥さて。
ここで、やっと冒頭の告白にたどりつくワケです。
なんというか、ぼくは縛られるのが好きです。
物足りないと、自分で自分を縛りつけたりします。
ミステリーを作る人間(少なくともぼく)は、物語を作るとき、自分の中で《ルール》を決めて、ある種“縛る”習性があるようです。
たとえば‥‥(あくまで“たとえば”ですが)
◎針と糸のトリックは使わない
◎登場人物は5人まで
◎執事を犯人にしない
‥‥などなど。
ミステリーは常に“新しいオドロキ”を求めなければなりません。
そのためには、自分を縛るしかないのかな、と思います。
“それは逆じゃないか”と言われるかもしれませんが、振り返ってみると
「この物語を理想のカタチで実現するには、○○はしちゃダメ」
という“縛り”の中でもがいてるコトが多かったな‥‥という気がします。
‥‥タンジュンに縛られてもがくのが大好きなのかもしれませんが。
そういう意味で、今回の2つの条件は、なかなか挑戦しがいのある“縛り”でした。
条件をクリアするためにアタマをひねり、その中でフト、自分にとって予想外だった物語が誕生する‥‥それはそれは、とてもスリリングな体験でした。
‥‥こうして生まれた、新しい物語。
みなさんに楽しんでいただけるとウレシイです。
それでは。今回は、このへんで。
《逆転裁判》の物語は、実は見えないところでいろんなルールがあったんですねー。
‥‥こんなコトを書くと、今までシリーズを遊んでくれた方たちの中から
◎霊媒師が平気な顔をして出てくるが、アレはいいのか?
◎トンでもない裁判長が平気な顔をして出てくるが、アレはいいのか?
◎トンでもないトリックを平気な顔をして書いているが、アレは‥‥
そこは、いいんです。
‥‥そういう不思議な“縛り”のお話でした。
次回は、もう1人の仲間が登場します。
去年入社したばかりの大型新人(←主に体型が)ヤマカワくん。
ゲーム制作上の、細かい雑務をマイペースにこなしてくれました。
ワレワレがすでに失ってしまった“フレッシュ”な視点で見たものを報告してもらいましょう。
2007.03.30 13:00
ごあいさつ
こんにちは。
逆転裁判チームの巧 舟(たくみしゅう)と申します。
シリーズを通じて、すべての物語を書き散らかしてきた、いわば主犯格の人物です。
(↑ついに開き直った)
これからしばらくのあいだ、ブログという形でワレワレ“チームならでは”の情報を発信していきたいと思います。
よろしくおつきあいください。
それにしても、《逆転裁判4》‥‥まさかまた、こうしてごあいさつする機会がやってくるとは。
シリーズ第1作目を作っていたのは、すでに前世紀・西暦2000年。
『《逆転裁判》は、コレ1作かぎり。全力を尽くすのだ!』
‥‥そんな“燃ゆるココロ”で制作、(個人的には)これ以上ないカタチで物語をしめくくることができました。
そして、発売。
遊んでくれたみなさんの声に後押しされるカタチで続編の制作が決定!
(↑当時は思ったほど売れなかったケド)
『やっぱり《逆転裁判》は、3部作。全力を尽くすのだ!』
‥‥そんな“さらに燃ゆるココロ”で制作、(個人的には)これ以上ないカタチで大団円を迎えることができました。
しかし‥‥物語は終わらなかったようです。
新しい主人公・王泥喜 法介くんを迎えて、ついに“新章開廷”という次第。
こうしてみると‥‥毎度毎回、新しい“逆転”を生み出すチカラになっているのは、応援してくれるみなさんの“声”なんだなあ‥‥いつもながら実感します。
本当に、どうもありがとうございます!
さて。そういうワケで《逆転裁判4》。
目指したのは“おもしろいミステリー”‥‥これは《1》のころから変わりません。
今回も、ご期待ください。
“新章”ということで心がけたのは、ふたつ。
今までシリーズを遊んだことのないみなさんが安心して楽しめる“完全に”新しい物語。
そして、今までシリーズを遊んでくれたみなさんが安心して楽しめる“懐かしくも”新しい物語。
‥‥この、対立する2つのテーマを両立させるために、いろいろシカケを施してみました。そのシカケが、うまく行ったかどうか‥‥?
みなさんの目でたしかめていただければ、ウレシイです。
発売まで、あと3週間あまり。
チーム一同、ドキドキしながら待っています。
シリーズが一新して、チームの制作体制にも大きな変化がありました。
ゲームの規模もいつのまにか大きくなって、今回、ぼくのシゴトを手伝ってくれる心強い“仲間”が加わりました。
このブログでは、彼らにも活躍してもらおうと思っています。
次回登場するのは、“ディレクター”エンドーくん。
《逆転裁判4》制作現場を取り仕切ってもらいました。
‥‥思えば、10年ほど前。
当時のぼくは、デビュー作にあたる《学校のコワイうわさ 花子さんが来た!!》というゲームの制作に参加していたのですが、そのときチームに新人として入ってきたのがエンドーくんでした。
ぼくは“おもしろいミステリーを作る”ため、このシゴトを選んだのですが、彼は“同志”でした。
当時、格闘ゲーム全盛の体育会系(?)カプコンに、なぜこんな“モヤシっ子”のふたりがまぎれ込んでしまったのかは永遠のナゾですが、
『いつか、おもしろいミステリーを作ろう!』
というカタい約束を交わして、真夜中の開発室、ひとつのカップやきそばを分け合って食べたのをなんとなく覚えています。
(↑最近、そのときの写真が出てきて、ひさしぶりにカップやきそばを食べてナミダした)
果たして、あの日の誓い‥‥彼の方は覚えているのでしょうか。
すべては次回、アキラカにッ!
‥‥と、あおるだけあおってバトンを渡したいと思います。
それでは、またお会いしましょう!
2007.03.20 13:00
新要素について
はじめまして。
今回、逆転裁判シリーズ初参加のエンドーと申します。
「逆転裁判4」の制作があると聞き、なんとかチームに
潜り込めるよう、カプコンの偉いヒトたちにお願いしに
行った日のことを覚えています。
エンドー「お願いします。逆転4チームに参加したいんです」
偉いヒト「ふむ。‥‥しかしねえ」
エンドー「あ、そうだ。タクミさんとは、ひとつのヤキソバを
分けあったこともあるんですよ! ホラ、写真!」
偉いヒト「‥‥エンドーくん」
エンドー「なんでしょう?」
偉いヒト「その写真は、ヨソのヒトには見せないほうがいいね。
いろいろと、その‥‥ゴカイされそうだから」
ヤキソバの写真がきいたのでしょうか。私は無事、逆転裁判の
制作に参加することができました。
これから入社する新人のみなさんには、上司と会食するときは
“証拠写真”を撮っておくことをオススメします。
思わぬところで役に立つかもしれません。
*****************************
さて「逆転4」制作の話をしましょう。
新たな「逆転裁判」にふさわしい「新要素」。これがどのように
形になっていったか。アイマイになってしまった記憶を掘り起こし
ながら、ご紹介します。
制作直後、企画は3名でした。
全員がミステリ好きで、運動嫌いという超文化系の編成です。
武闘派ぞろいのカプコン(←あくまで個人的なイメージ)の中に
あって、これ以上望めないくらいの異質な存在です。
議論は白熱し、新要素のアイディアはとどまるところを知りません。
「せまい部屋で、短時間に何発も銃弾が発射され、
その順序が問題になるような状況は、どうかな?」
「弾道を立体的に見せられたら、キレイかも!」
「モンタージュとか、どうでしょうね?
自分で容疑者の顔をつくっていって‥‥」
「完成した顔が、実は意外な人物に!」
「証拠や、証言が、すべて金銭的に“見える”能力って
面白いんじゃないかな?」
「100円ライターなんだけど、『これ、50万円の価値が
ありますよ』とか。ウラ向けたらアヤシイ指紋が!」
ミステリの世界では一般的なネタから、意表を突く奇想天外なネタまで。
たくさんのアイディアが出たものです。
それらについて、「どんなルールや操作になるのか?」「シナリオとの
相性はどうか?」「見た目が、地味でないか?」「遊びとして、成立して
いるのか?」など、さらに詳細な検討を加えていきます。
こうしてゲームに組み込まれた新要素が「みぬく」です。
初めての試みだったので、何度か実験が必要でした。
「みぬく」は、現在は白黒ですが、実はカラーで出していた
時期もあったのです。
「白黒」か、「カラー」か?
チーム内で意見を聞いたところ、「白黒がいい」という意見が
多く、今の形におちつきました。あのとき、もし逆だったら、
「みぬく」は今とは全く違った外見になっていたと思います。
また、演出面でもいろいろなアイディアが検討されました。
例えば、「くらえ!」と同じように、「みぬく」直前に、
オドロキくんの横顔を挿入してはどうか、などです。
こちらは、そのときに、巧さんが描いたラフ絵です。
エンドー「‥‥キョーレツですね」
タクミ 「こういうのは、インパクトが重要だから」
エンドー「コイツで証人を“ぎゃふん”と言わせる
ワケですからね」
タクミ 「‥‥エンドーくん」
エンドー「なんでしょう?」
タクミ 「キミって、ときどき、びっくりするほど
古クサい言い回しをするよね」
‥‥果たして「みぬく」はどのようなカタチに落ち着いたのか?
発売日に、ぜひ体験していただきたく思います。
「ゆさぶる」も「つきつける」も通用しない証人を、「みぬく」で
“ぎゃふん”と言わせてやってください。
*****************************
さて、次回ですが、前作『蘇る逆転』から、引き続き制作に
参加している企画メンバー、“ヤマザキくん”にバトンタッチします。
(う、またもや古クサい表現だ)
彼とは「逆転裁判4」で、はじめていっしょに仕事をしましたが、
短い期間ながらも、一言では言い尽くせないほどの苦楽を共にしました。
同じ作家が好きなのにもかかわらず、感動するポイントが、私と微妙に
ズレていて、もどかしいコトこの上ないこともひっくるめて、大事な仲間と
言っていいでしょう。
彼とはまだ、ひとつのヤキソバを分けあうほど親しくはないのですが、
十分に信用に足るオトコです。 次回、その若く柔軟な視点で、「逆転裁判4」
を熱く語ってくれると信じています。
それでは、本日はこのへんで。
2007.03.23 13:00
2007.03.30 ( 金 )
『主役交代』
こんにちは。
逆転裁判チームのタクミです。
なんというか、ぼくは縛られるのが好きです。
物足りないと、自分で自分を縛りつけたりします。
‥‥突然、なんのカミングアウトかと驚愕された方もいるかもしれません。
ここで読むのをやめられると、タイヘンな誤解を生むような気がするので、今回はゼヒ最後までおつきあいください。
そのヒマがない方は、冒頭の2行をキレイに忘れちゃうコト。約束です。
それでは、今回は『主役交代』について。
シリーズを《3》まで遊んでくださった方々が、《4》でイチバン気になっているのは、おそらくその話題ではないかと思います。
“成歩堂 龍一”から“王泥喜 法介”へ。
シリーズをご存じない方のために紹介させていただくと、逆転裁判《1》から《3》の主人公は“成歩堂 龍一”という名の青年弁護士。
エピソードは1つ1つ独立しているものの、3作を通じて1つの大きな物語になる構成になっていました。
‥‥あの物語は《3》で完結。
あれ以上のエピソードを加えたくない‥‥
これが、《4》制作決定の知らせを聞いたときの、ぼくのスナオなキモチでした。
一方で、“続編を望む声”というのが、作り手にとって最高にウレシイというのもまた、スナオなキモチ。
いろいろ考えた末、出した結論は‥‥
「正式な続編を作るのであれば、まったく新しい物語にするべきだ」
そっちの方が、今までシリーズを知らないヒトにも気軽に遊んでもらえるし、新しいオドロキを作り出せるかもしれない!
‥‥なんて(もっともらしく)主張してみたり。
でも。これはある種、個人的な“ワガママ”で、そうカンタンには通らないだろうな‥‥とカクゴしていたのですが‥‥会社側のヘンジは
「変えていいよ」
なんともフトコロの深い会社です、カプコン。
ただ。その際、2つ。条件を提示されました。
■前作までのキャラクター‥‥少なくとも成歩堂 龍一を登場させること
■物語の中で《●●●●●》を扱うこと
実はこの指令、ふたつとも、ぼくにとってはかなり難しい条件でした。
新しい物語に、成歩堂をフツーに出したくない。
といって、新しい主人公の活躍をジャマさせるワケにもいかない‥‥では、どう出す?
しかも、その上で、《●●●●●》を組み込まなければならない!
‥‥難題。
ちなみに、《●●●●●》に何が入るかは‥‥発売前である今はまだ、言えません。
いずれブログで紹介できるかもしれませんが、ゲームを最後まで遊んでいただければ、おわかりいただけると思います。
‥‥さて。
ここで、やっと冒頭の告白にたどりつくワケです。
なんというか、ぼくは縛られるのが好きです。
物足りないと、自分で自分を縛りつけたりします。
ミステリーを作る人間(少なくともぼく)は、物語を作るとき、自分の中で《ルール》を決めて、ある種“縛る”習性があるようです。
たとえば‥‥(あくまで“たとえば”ですが)
◎針と糸のトリックは使わない
◎登場人物は5人まで
◎執事を犯人にしない
‥‥などなど。
ミステリーは常に“新しいオドロキ”を求めなければなりません。
そのためには、自分を縛るしかないのかな、と思います。
“それは逆じゃないか”と言われるかもしれませんが、振り返ってみると
「この物語を理想のカタチで実現するには、○○はしちゃダメ」
という“縛り”の中でもがいてるコトが多かったな‥‥という気がします。
‥‥タンジュンに縛られてもがくのが大好きなのかもしれませんが。
そういう意味で、今回の2つの条件は、なかなか挑戦しがいのある“縛り”でした。
条件をクリアするためにアタマをひねり、その中でフト、自分にとって予想外だった物語が誕生する‥‥それはそれは、とてもスリリングな体験でした。
‥‥こうして生まれた、新しい物語。
みなさんに楽しんでいただけるとウレシイです。
それでは。今回は、このへんで。
《逆転裁判》の物語は、実は見えないところでいろんなルールがあったんですねー。
‥‥こんなコトを書くと、今までシリーズを遊んでくれた方たちの中から
◎霊媒師が平気な顔をして出てくるが、アレはいいのか?
◎トンでもない裁判長が平気な顔をして出てくるが、アレはいいのか?
◎トンでもないトリックを平気な顔をして書いているが、アレは‥‥
そこは、いいんです。
‥‥そういう不思議な“縛り”のお話でした。
次回は、もう1人の仲間が登場します。
去年入社したばかりの大型新人(←主に体型が)ヤマカワくん。
ゲーム制作上の、細かい雑務をマイペースにこなしてくれました。
ワレワレがすでに失ってしまった“フレッシュ”な視点で見たものを報告してもらいましょう。
2007.03.30 13:00
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