天声人語2013年02月24日（日） 安倍访美 不虚此行

かつて岸信介（のぶすけ）首相は、ワシントン入りしたその日にアイゼンハワー米大統領とゴルフを楽しみ、一緒にシャワーを浴びた。翌日からの会談で、両者は安保条約を改定する方向で合意、岸が「政治生命をかけた大事業」が動き出す。１９５７（昭和３２）年６月のことだ▼
以前岸信介首相在抵达华盛顿的当天和美国总统艾森豪威尔一起打高尔夫和淋浴。次日的会谈中，两人就安保条约的修订方向达成了一致意见，岸信介“赌上政治生命的大事业”开始起步。这是1957年（昭和32年）6月份的事情。
首相になって４カ月、岸は対等な「日米新時代」を掲げていた。アイクは大戦の英雄、自らは元戦犯容疑者という仲ながら、「個人的信頼、友情関係」が力になったと回顧録にある。裸の付き合いが効いたと▼
就任首相4个月后，岸信介提出了平等的“日美新时代”的口号。艾森豪威尔和岸信介一个是二战的英雄，一个却是前战犯嫌疑人，不过回忆录里写道，“个人的信赖，友谊关系”成了前进的动力，坦诚相待起了关键作用。
岸・アイク会談の重みは望めぬにせよ、安倍首相もオバマ大統領との顔合わせに期するところがあったのだろう。昼食を含め２時間。祖父が心血を注いだ日米同盟の「完全復活」を宣言してみせた▼
即便不期望如岸•艾会谈那样的重要，可安倍首相恐怕仍盼望和奥巴马总统会晤。包括午饭在内一共会晤两小时。向世人宣布倾注了祖父心血的日美同盟“彻底复活”。
もっとも、米側の関心は文言より実利とみえる。コメなどの関税を守りたい日本をＴＰＰ交渉に引き込むべく、「聖域」の余地を残した共同声明に応じた。回りくどい悪文は、交渉の結果によっては例外もあり得ると読める。これで日本の参加が固まった▼
不过相比于外交辞令，美方似乎更关心实际利益。为了推动不希望取消大米关税的日本进入TPP谈判，美方发表了留有回旋余地的日美共同声明。从啰啰嗦嗦的拙劣文章中可以看出，根据谈判结果可以有例外情况。此举坚定了日本参加TPP谈判。
首相の記念講演の題は「ジャパン・イズ・バック」。強い日本が戻れば、東アジアの安定や日米関係に資するとの信念だ。アベノミクスへの自信ゆえか、おどおどした昔の面影はない▼
首相纪念演讲的题目为“Japan is back”。他坚信，如果强大的日本能够归来，那么就有利于维护东亚的稳定以及日美关系。或许是对安倍经济政策的自信，以前惴惴不安的样子一扫而光。
アイクの時代、米国の懸念は東西冷戦だった。経済で独り立ちを図る日本を庇護（ひご）したのは、ソ連や中国への対抗策でもあった。安倍政権の幸先の良さを認めた上で思うのは、３世代を経ても変わらない、極東の冬景色である。
艾森豪威尔时代，美国的心头病是东西方冷战。对谋求经济独立的日本实施庇护，也是对抗前苏联和中国的策略。在承认安倍政权前途光明的基础上所想到的，是历经三代仍未改变的远东的冬季景色。